古川コラム

厚生年金の標準報酬月額上限 ~62万円から65万円に~

厚生年金の標準報酬月額上限の改定

 令和2年9月から厚生年金の標準報酬月額の上限が、平成12年10月以来、20年ぶりに引き上げられます。なお、健康保険の標準報酬月額の上限に変更はありません。

 

<現 行>(令和2年8月まで)

等級 標準報酬月額 報酬月額
第31級 620,000円 605,000円以上

 

<改定後>(令和2年9月以降)

等級 標準報酬月額 報酬月額
第31級 620,000円 605,000円~

635,000円未満

第32級 650,000円 635,000円以上

 

厚生年金保険料のへ影響

 報酬月額635,000円以上の被保険者に対する厚生年金保険料が増額となります。

 厚生年金の保険料率は183/1,000ですので、第31級から第32級となる被保険者の保険料は一人当たり月額113,460円から118,950円へ5,490円増額となります。

 厚生年金保険料は事業主と被保険者の折半負担のため、事業主と被保険者の負担額の増加は、各々月額2,745円となります。

 したがって、事業主側も対象となる被保険者一人当たり年間33,000円弱の厚生年金保険料の負担増となります。

 対象者が100人いる事業主の場合、社会保険料負担額が年間300万円以上増えることになりますので、影響は比較的大きなものとなりそうです。

 

改定による標準報酬月額変更の届出は不要

 今回の標準報酬月額の上限改定によって、既に報酬月額が635,000円以上に達している被保険者については、令和2年9月下旬以降、日本年金機構から事業主に「標準報酬改定通知書」が送付されますので、事業主からの届出は不要です。

 しかし、改定後の給与計算の際に、厚生年金保険料の控除額の変更が漏れないよう、注意しましょう。

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